独裁者(?)のスピーチ術! 橋下徹、伝説の「鬼演説」がすごすぎる」を読んでヒトラーと比べたくなった話
独裁者とは、権力をすべて握り独断で物事を決める者のことをいう。
【独裁】
- 独断で物事を決めること。
- 特定の個人・集団または階級が全権力を握り、支配すること。
橋本徹氏が独裁者(?)となっているタイトルに釣られリンク先の演説を読んだ。
独裁者と言えばヒトラー。
ヒトラーの演説 例
1. 共通する敵・・・前政府
いったい14年もの間、政府はドイツをどこへ導いたのだ
国家財政を混乱させ、おびただしい物品を浪費し、何億とあった金はすっかりなくなった
インフレーションという愚行を犯し、国が荒れ果て、不当な利子が外国から突きつけられた
2. 当事者意識・・・国民自らが全力を尽くすべき
私は我が民族の復興が自然にできるとは約束しない
国民自らが全力を尽くすべきだ
自由と幸福は突然、点から降ってはこない
すべては諸君の意志と働きにかかっている
我々自身の国家のみが
我々自身の国民のみが頼りとなる
ドイツ国民の未来は
我々自身のうちにのみ存在するのだから
国民自身が国民を向上させるのだ
勤勉と決断と誇りと屈強さとによって
ドイツを興した祖先と同じ位置に上ることができる
3. 民族の誇り・・・民族の勤勉さ、能力、結束力
我が民族の勤勉さ、能力、結束力を6年間で示すのだ
ヒトラーと橋本徹氏の演説の比較
ヒトラーの演説を見ると民衆と共通する敵を作り、民衆の当事者意識を芽生えさせ、民族の誇りを持って改革を行おうとしているように見える。では、橋本徹氏の演説はどうだろうか?
1. 共通する敵・・・既得権を持っている人たち
我々がやろうとしていることは、自民党や民主党がやろうとしていることと真っ向から対峙します。対決します。それは先ほども言いました、世の中のありとあらゆる既得権を持っている団体、既得権を持ってる人たち、その人たちを一回リセットする。国民に、民間の企業の皆さんに、若手のベンチャー企業に幅広く機会を提供する。そして頑張ってもらう。
2. 当事者意識・・・国を良くしよう国民が頑張る
今度はこの大阪の力で、日本を変えてみましょうよ。出来ますって、やろうと思ったら。我々はある意味、ストローみたいなもんで、中が空洞。皆さんの大阪からのこのエネルギーを、我々のからだを通して、日本全国に広げて下さい。有権者の力で変わるんです。政治の力の源は、有権者の皆さんの力なんです。やるか やらないかは、皆さん次第。政治家に任せてたって、何にも変わらない。
国を良くしようと思ったら、政治家なんかに任せちゃダメなんです。国民が頑張る番なんです。我々はある意味、笛を吹かさせてもらう、それぐらいの役割。あとは先ほども言いましたがストロー。皆さんのエネルギーを僕らのからだを通して全国に広げる役割。
3. 日本人の誇り・・・優秀、勤勉、真面目、道徳心豊か
我が日本、我が日本国民、僕は誇りに思ってます。わずか75年前、全部爆弾を落とされた、一面焼けただれた焼け野原。そこから、見て下さいこの街 を。北ヤードも街開きしますよ、この4月、5月に。こんな巨大都市を、あの敗戦の焼け野原からわずか、70年ちょっとでここまで築き上げた我が日本国民。
世界でこんな優秀な国民はいませんよ、こんな勤勉な国民はいません。こんな真面目な国民はいない。こんな道徳心豊かな国民はいない。にも関わらず、 世界で何でこんなに無視をされる国になったのか。それはこの20年間、我々は甘え過ぎた。やるべきことをやらなかった。政治家は票のために皆さんに甘いことを言い、皆さんは国に対して、何か期待をするだけだった。
でもね、本当に国を変えたい。もう一度、誇れる日本にしたい。絶対なれる。日本人の技術はものすごい。IPS細胞を作製した山中さん、ノーベル賞 (を獲りました)。自然科学の分野では、アメリカとヨーロッパに並んで、日本は自然科学の分野で一番ノーベル賞の数を持ってるんです。
何でこんなに素晴らしい日本人が、こんな体たらくになってるのか。これはね、もう一度頑張らなきゃいけないですよ。この成長時代に、諸先輩方が歯を食いしばって、ここまで築き上げてくれた我が日本。これを沈めるわけにはいかん。
どうか我々の世代で、諸先輩方たくさんいらっしゃいますけど、40代、50代、30代も頑張りましょうよ。頑張ってもう一回、この日本に太陽を昇らせましょうよ。
まとめ
確かにヒトラーと橋本徹氏の演説は似ている。共通の敵(改革の対象)を作り、当事者意識(民衆の参加)を呼びかけ、民族の誇り(改革の原動力)を取り戻すために改革を行う。この共通点こそ民衆を煽動する魅力あるスピーチにしていると思う。しかし、橋本徹氏のスピーチが独裁者の言葉ではないことは明らかである。
橋本徹氏の演説には何度も、"皆さんのお陰"というキーワードが出てくる。"させていただいている"という立場の表明こそ、独裁政治と民主政治とで大きく理念が異なるところではないだろうか。
橋本徹氏の「既得権を持った人から既得権を返してもらう」という考えに強く賛同するところがあり、(今回の出直し選挙では一時的にシラケてしまったときもあったが)今後も継続して橋本徹氏を応援して行きたいと思う。