梅田公認会計士のダイアリー

会計で会社や社会を良くしたいと情熱を燃やしています。現在、起業支援の拠点としてコワーキングスペースの運営にも力を入れています。

【税務】短期前払費用に気を付けること。

2016年8月6日

 短期前払費用は気を付けないといけませんね。 

【照会要旨】

 当事者間の契約により、年1回3月決算の法人が次のような支払を継続的に行うこととしているものについては、法人税基本通達2-2-14*1を適用し、その支払額の全額をその支払った日の属する事業年度において損金の額に算入して差し支えありませんか。
 なお、次の事例1から5までの賃貸借取引は、法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引には該当しません。

事例1:期間40年の土地賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の地代月額1,000,000円を支払う。

事例2:期間20年の土地賃借に係る賃料について、毎年、地代年額(4月から翌年3月)241,620円を3月末に前払により支払う。

事例3:期間2年(延長可能)のオフィスビルフロアの賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の家賃月額611,417円を支払う。

事例4:期間4年のシステム装置のリース料について、12ケ月分(4月から翌年3月)379,425円を3月下旬に支払う。

事例5:期間10年の建物賃借に係る賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月)1,000,000円を2月に前払により支払う。

短期前払費用の取扱いについて|法人税目次一覧|国税庁

  答えは、事例1から4までが法人税基本通達2-2-14の短期前払費用として支払った期に全額損金算入できますが、事例5については認められません。

2-2-14 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加、昭61年直法2-12「二」により改正)

(注) 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。

第2款 販売費及び一般管理費等|基本通達・法人税法|国税庁

 注意しなければならないのは、「その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るもの」という文言です。

 

 事例5の場合、2月に4月から3月分の支払いを行っているので、役務提供を受ける期間が支払った日から1年を超えるものであるため適用がないということになります。

 

 1年分は短期だから全額損金算入と思っていると、間違えてしまうところですね。

 気を付けましょう。

 

 それではまた。

*1:短期の前払費用