梅田公認会計士のダイアリー

会計で会社や社会を良くしたいと情熱を燃やしています。現在、起業支援の拠点としてコワーキングスペースの運営にも力を入れています。

日々の記帳が大切な理由。

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 こんにちは、公認会計士の梅田です。

 

 「会計って大切ですよ。毎日記帳してくださいね。」

 

 これを毎日お客さまにお伝えしています。一方で財務諸表の構造や複式簿記について理解がないとなかなかその理由が腑に落ちることは難しいですよね。

 

 上記のホワイトボードのように、仕訳→試算表→損益計算書・貸借対照表と会社は月次や事業年度ごとに損益計算書、貸借対照表を作成します。それにより会社の経営成績や財政状態(資金繰りの状況)を見ます。

 

 しかし、損益計算書や貸借対照表正確に作成されなければ、その会社の正確な経営成績や財政状態が見えてきません。また、損益計算書や貸借対照表に基づく税務申告も正確にできません。正確にできなかった場合、あとから税の申告漏れを指摘されると大きなペナルティ(加算税)が課せられる恐れもあります。

 

関係者によると、新たに指摘された外交員らは申告の際、仕事と無関係のマイカーの燃料費や携帯電話の使用料のほか、同僚との飲み食いを接待交際費などとして計上し、事業収入から差し引き、事業所得を圧縮した。

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 さて、その正確な損益計算書・貸借対照表を作成にはホワイトボードの左側にあるようにインプットである日々の記帳を適時・適切に行うことが必要となります。日々の記帳により、正確な損益計算書・貸借対照表をが作成されます。その結果、①タイムリーな会計情報により会社の真実の状態を見て適切な経営判断ができるようになり、また②適切な税の申告を行うことができるためペナルティーを回避することができます(※1)。

 なお、税理士には適切に申告書が作成されているというお墨付きを付与する権利があります(書面添付制度)。これにより、会社の申告書が正確であると認められれば税務調査をパスすることができます。きちんとした申告をしていても調査に入られること自体、不安になりませんか?安心するためにも申告の際は税理士に依頼して書面添付(※2、※3)を有効に活用しましょう。

 

注)

(※1)上場会社のような大きな会社では、記帳が正確に行われていることを担保するため、内部統制といって記帳の誤りをしない仕組み(入力結果のダブルチェックなど)、誤りがあったとしても発見する仕組み(責任者のモニタリングなど)が整備・運用されています。また公認会計士はその内部統制の仕組みが適切に整備・運用されているかどうか監査に行きます。

 しかし、中小企業では内部統制が弱いことや、そもそもないことが多いため税理士がその役割を担っていると言っても良いと思います。

(※2)書面添付の前提は日々の正確な記帳にあります。

(※3)書面添付制度とは

書面添付制度について (33条の2の書面及び35条の意見聴取)|フォローアップ検討会|国税庁