梅田公認会計士のダイアリー

会計で会社や社会を良くしたいと情熱を燃やしています。現在、起業支援の拠点としてコワーキングスペースの運営にも力を入れています。

「ぼくらの祖国」を読んで あなたも私も一人じゃない

ぼくらの祖国

感想

 橋本徹氏の演説を読み(以下、エントリー参照)、この「ぼくらの祖国」を思い出し、再度パラパラと本を繰ってみた。

 

独裁者(?)のスピーチ術! 橋下徹、伝説の「鬼演説」がすごすぎる」を読んでヒトラーと比べたくなった話 - inakaboyのダイアリー

 

 私は青山繁晴氏の公演を聞きに行ったことがある。その時のテーマも「祖国」だった。3.11の東北大震災のこと、北朝鮮拉致問題のこと、硫黄島のこと、ひめゆりの塔のことを話されていたと記憶している。原稿もなにも一切見ないで、一人一人の目を見ながら、ときに感情が高ぶって涙しながら話されている姿が印象に残っている。

 さて、私たちは「祖国」という言葉をこれまで使ったことはあっただろうか。母国、故郷、ふるさと、自分のルーツを話すときに使う言葉は数多くあるが、「祖国」という言葉を使う人は友人にはまずいない。「祖国」とは何だろうか?

 本書では「祖国」を

ぼくたちが、この大地に足を踏みしめて生きることのできる土台

ぼくらの祖国

 と定義している。

 祖国が滅びずに続いてきたからこそ、ぼくらは互いのきもちを同じ言葉で伝えることができる。絵や音楽や文学という文化も、祖国によってしっかりした共通の根を持つから、きもちを自由自在に表すことができる。

ぼくらの祖国

 

 私たちのなかに、この日本のことを「祖国」として考えたことがある人はどれほどいるだろうか。日本国民は母国愛が薄い。私も元々は日本のことがそれほど好きではなかった。以前は、英語を勉強して将来は海外で働くんだという夢もあった。それは、前向きというより後ろ向き。沈み行く日本、それを憂いて、早く逃げたいという気持ちの方が強かったように思う。

 2011年3月11日、東日本大震災が発生。 当初は被害の甚大さにただただ驚くばかりであったが、そこでひとつの芽が芽生えた。

 

 「自分にも何かできることはないか?」

 

 悶々とした日々を過ごしていたが、そこに、私の友人の一人が東北へボランティアへ行くことを誘ってくれたのである。彼は東日本大震災の発生直後、ボランティアを組織し、道が全く舗装されていないにも関わらず、暖をとるための油とパンを持って、車で何時間もかかる道のりを現地に駆けつけていた。もちろん、テレビではボランティアへ行くことについて、かえって迷惑になることもあるというアナウンスをしていた。しかし、彼の話を聞くと人も食料も全く足りていないという話を聞き、行くことに決めた。

 

 彼はクリスチャンであり、宣教師を業としていた。彼の呼びかけで、このボランティアグループは世界各地から人材が現地に集まっていた。日本人が日本の復興のためにボランティアに参加するのではなく、外国人が日本の復興のためにボランティアに参加している。そして、現地の日本人の話を聞き、日本人のために涙を流し、日本人のために祈りを捧げていた。私はこれからもその光景を忘れることはないだろう。"なぜ"そこまでしてくれるのか、その原動力の源はどこにあるのか。そのルーツを知りたく、より強く海外へ行きたいと思うようになった。

 

「人生一度きり、やりたいことをやらないと後悔する」

 

 そのとき、死というものが身近にあることや、いつ死ぬかも分からないことを肌で感じ、"するなら今だ"、と留学を決断した。

 留学することで新しい体験をすることができた。日本では当たり前なことが海外では当たり前ではなく、海外では当たり前なことが日本ではないことに気づく。さらに、日本という国が大変に豊かであること、海外からどれほど日本人が他の国の人と比べ、どれほど信用されているかということを身を以て知った。

 留学体験についてはまた書くことがあるかもしれないが、日本の外に出ることで「愛国心」というものが自分のなかに沸々とわき起こるのを感じた。

 

 私たちは日本のパスポートひとつで様々な信用を得ることができる。日本人というだけで、私には多くの信頼のおける友人が集まり、誰からもよくされた。これはひとえに「祖国」日本というバックグラウンドがあったからである。

 

  「祖国・日本」

 

 次の世代へこの誇りある日本を脈々とつなげたい。つなげよう。私たちひとりひとりが「何をしなければならないか」を考え、「何ができるか」を実行して行く。ひとりではできないことは、みなが一致団結して乗り越えていくことができる。日本がこれからも世界から賞賛される国であり続けよう。次の世代のために。

 

 「祖国を思う気持ち」

 

 これからどんなことが起きようとも私たちは強く生きることができる。どんな危機が起きても立ち上がることができる。ひとつの「思い」で私たちはひとつに繋がることができる。

 今、何をすべきか迷っている人や孤独を感じている人は「祖国」を感じて欲しい。目指すものがきっと見つかる。

目次

  • 明けの星の章
  • 平壌の日の丸の章
  • 永遠の声の章
  • 硫黄島の章
  • 手にとる希望の章
  • 海鳴りの終章
  • ふしぎの本
  • あとがき

すべての学ぶひと、伸びるひとへ

すべての教えるひと、育てるひとへ

わが胸いっぱいの敬意とともに、この共に考え、共に生きる書を捧ぐ。

なかでも、受験に苦しむ生徒に届けたい。

なぜ受験するのか、受験した先には何があるのか。

それを知ってこそ、こころを落ち着かせて学び、人生の試練に臨むことができるから。

なかでも、この日本社会で生きること、そのものに苦しむひとへ届けたい。

なぜ生きねばならないのか、生き抜いたとして、その先には無があるだけではないのか。

その問いこそ、われらを照らす光であるから。 

ぼくらの祖国 青山 繁晴

ぼくらの祖国

ぼくらの祖国