梅田公認会計士のダイアリー

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「英語屋さん ソニー創業者・井深大に仕えた四年半」を読んで

英語屋さん ―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半 (集英社新書)

感想

 井深大(いぶか まさる)とは東京通信工業株式会社(現ソニー)を盛田昭夫氏とともに二人三脚で創立した創業者である。

 著者 裏出善文氏は入社二年目にも関わらずその井深大の英語通訳者(カバン持ち)に抜擢されるのである。入社時に英検1級を持っていることや通訳ができるということを売りにしたことによる影響であるが、実際のところ通訳の経験も真っ当に行う自信もなく非常に苦労している。しかし、カバン持ちとしての四年半にわたる鍛錬と実務経験、その中で実力も相当のものをつけて行く姿、責任ある仕事をこなす充実感、また全体を通して、井深大氏への尊敬の念と親しみに溢れる著者の様子が文体から伝わってくる。

 ソニー創業井深大の最も間近で働いていたカバン持ち、その目線から偉人を見ることができる貴重な一冊だと思った。

目次

第一部 新米英語屋の勉強帳

第一章 社内「英語屋」ハンティング

 「英語屋をやってくれ」

 「ある人」はソニー創業者だった

 どうしてボクなんかが・・・・・・?

第二章 英文レターへのこだわり

 「格調の高い英語」とは?

 手紙には必ず目を通していた井深さん

 英文レターの要請

 レターヘッドは会社の「顔」

 英文レターを上手に書きたい人のために

第三章 悪戦苦闘の駆け出し通訳

 通訳としての基礎体力

 あの手この手の通訳特訓

 予習が肝心

 通訳を使う側のコツ

第四章 キーワードは「創造」

 若造が作る創業者のスピーチ

 井深さんのスピーチの「芯」

 ちょっとしたユーモアを入れること

 スピーチ原稿を用意する際のちょっとした配置

第五章 アメリカへ!

 初めての海外出張

 「出張の下見」

 いざ本番、ところが・・・・・・

 スピーチは大成功!

 

第二部 汝の主を知れ

第六章 どこでもついて行くカバン持ち

 「カバん持ち」の居場所

 井深さんはボーイスカウト

 台湾への旅

第七章 東洋医学と0歳教育

 東洋医学とコミュニケーション

 0歳では遅過ぎる

第八章 「井深さん流」英語上達法

 井深さんの発明した英語学習機

 「ボク流」英語上達法

第九章 井深さんへのファンレター

 井深さんを動かした一通の招待状

 「殿様の命令で来た」

 

第三部 英語屋の卒業論文

第十章 お客様、ご案内〜!

 お出迎えのイロハ

 人の名前は要確認

 「工場が見たい」と言われても・・・・・・

第十一章 VIPが会社にやってくる

 VIP歓迎準備チーム結成

 周到な準備

 井深さん流のおもてなし

第十二章 ボクの通訳プライバック

 井深さんの十八番

第十三章 国王陛下を笑わせろ!

 王様はバスに乗って来た

 受けを取ったボクの工夫

 誰が説明するんだ!?

 反省と教訓

第十四章 たかが英語屋、されど・・・・・・

 突然の訃報

 さよなら、井深さん

 コミュニケーションの優劣を決めるもの

英語屋さん ―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半 (集英社新書)

英語屋さん ―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半 (集英社新書)