「13歳へ よい親も、よい先生も、あなた次第」を読んで 人生を成功させるためのコツ
目次
はじめに
第一部 人生を成功させるコツ
第一章 子供こそ大人を育てられる
- 育てられた自分が育てる側に
- いたずらっ子に態度で意思表示
- 気持ちは瞬間で変わってしまう
- 大人の気持ちを一瞬で変える極意
- 育てる側と育てられる側の違いは?
- 先生を育てて登校拒否がなおった例
- 仲良くなれる言葉をかけよう
- 先生が悪ければいちばん勉強ができる
- 子供の一言で親はすごく頑張る
- 手紙を書いて親を育てましょう
- 親が喜べば、いいことがいっぱい
- 子供が書いたものはうれしい
- 父親の複雑な気持ちも娘の一言でチャラ
- 伝えるべき基本は「感謝」
- 感謝できる子には成功が待っている
- 感謝とは言葉ではなく気持ち
- お母さんの料理を褒めれば料理が上達する
- 楽しくなることを言えば感謝の表現
- 大人を育てることで人生が切り開かれる
第二章 世の中は、なんでも組み合わせ
- 一つでは成り立たないというポイント
- いい気分もまわりの環境のおかげ
- 仕事を果たせるのは何かのおかげ
- 必要とされるから意味がある
- 互いに引き合う二極で成り立つ
- お互いがきちんと引き合えばいい関係
- 関わりの中でこそ人生が楽しくなる
- 楽しくしたいなら、楽しさへの役割を果たそう
- 学校を楽しくするための自分の役割とは?
- 一方がちゃんと育てれば関係はうまくいく
- 自分が先によい人間になれば、相手もよい人間になる
- 誰とでも仲良くすればいい
- あなたが笑えば、世界は笑う
- 人生の勝負は、自分の心次第で決まる
- 負けて落ち込むばかりでは負けっぱなし
- 仲良くなることが目的のケンカならオーケー
- どうせならビシっと大成功の人生を
- 仲良くすることへの挑戦が勝利の秘訣
- 敵をつくらないこととは?
- たった一言で仲良くなることに成功
- 自分の人生は自分で運転しよう
- 責任をもって自分から行動して行きよう
- 動物が証明する世界が味方に変わるしくみ
- 一人ひとりの心から世界を変えていこう
第二部 素朴な質問 真理の答えー長老の質疑応答
質問:人間を悪いことや欲に染めるのはなんだと思いますか?
質問:長老は修行をしたのですか?
どんな修行が一番つらかったですか?
質問:人生を楽しく生きるコツはなんですか?
質問:人はなんのために生きるのですか?
質問:善人と悪人はどう違うのですか?
質問:「愛」ってなんですか?
質問:動物を飼っていますか?
質問:「罪人は死んだら六道輪廻に落とされる」と聞いたのですけど、「六道輪廻」というのは実際どんなものなのですか?
質問:人と人との関わりで、宗教の違いで気をつけるところはなんですか?
感想
著者アルボムッレ・スマナサーラ(Alubomulle Sumanasara)はスリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)の長老である。1945年にスリランカで生まれ、13歳で出家したそうだ。出家のきっかけはお寺のお坊さんから"きみ、どうですか?お寺に来ませんか?"と言われたからだそう。スリランカではお寺のお坊さんは学校の先生みたいなものであるため、先生が言うことならと両親に説明して出家したらしい。ちなみにスリランカの場所はインドの隣(地図参照)。
スリランカについて
首都はスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ。中学の頃、世界で一番長い首都名として皆が覚えたのではないではないだろうか。余談ではあるが、世界で一番長い首都名はタイの首都バンコクの正式名称"クルンテープ・マハナコーン・アモン・ラタナコシン・マヒン・タラー・ユッタヤー・マハーディロップ・ポップ・ノッパラ・ラチャタニー・ブリロム・ウドム・ラチャニウェート・マハサターン・アモン・ピマン・アワタン・スティ・サタタティヤ・ウィサヌ・ガンパシ"らしい(ネット調べ)。
自分の人生を大きく切り開く、成功の秘訣
本書で語られている成功の秘訣とは"人と人との繫がり"を大切にすることである。私たちは一人で生きているのではない。自分の得意分野、不得意分野を補い合って生活している。自分の思った人生を送りたければ、自分の意見が通り易くなるよう気を配り、みんなと仲良くすることを勧めている。
この本はタイトルの通り13歳、ちょうど中学生の年代の人のためのものとなってはいる。しかし、侮ってはいけない。内容は十分、大人にも通用する考え方だ。
「自分の思ったような人生を歩みたい」
「自由に生きたい」
大人になっても中学の頃に感じた感覚は常に持ち続けているものだ。尾崎豊が「15の夜」で表現したように盗んだバイクで走り出したい、自由になりたい、「卒業」で訴えたように、学校を卒業していったい何が変わるというのか(自由はどこにもないのではないか?)、このようにいつも何かに縛られ、何かを負って私たちは生きている。
自由に生きられない理由、それはこの世界が人と人が関わり合いバランスを保って成り立っているからである。その関わり合いの中に、自分一人が反乱分子としてその生態系を壊そうとしても壊れるはずもない。
自由に生きるためにはその方法を身につける必要がある。
その方法とは「人たらし」である。
自由を手に入れ、人生で成功するために、私たちは生態系を壊そうとするのではなく、生態系にうまく入り込む方法を身につけなければならない。
人間、自分が好きな子や自分を尊敬してくれる子、大事にしてくれる子の言うことは聞きたくなるものである。人を変えようとするのではなく、人に気に入られるよう自分を変える。それができれば私たちは思った人生を送ることができるようになるのではないだろうか。